「頭が良くなる要約力」を要約してみる

恐らくkindleセールで購入し積読してあった本なのですが、今後本の感想を書いていくなら先に読んでおいた方が良さそうだと思ったため読んでみました。

せっかくなのでこの本で学んだことを活かして、この本を要約していこうと思います。

 

1.意見は違っていい。要約はダメ。

「要約」という言葉の定義を調べると以下のように出てきました。

文章などの要点を取りまとめること。また、そのまとめたもの。

これを踏まえて考えると「要約が違う」=「文章の要点が違う」ということになります。
もし自分と他者の間で要点とするものが違っていると、コミュニケーションが成り立ちません。

著者は本書でこう述べています。

また人と深い関係を築きたくても、相手の言っていることがわからなかったり、意図が要約できたりしなければ、コミュニケーションを取ることができません。「あの人はいつもとんちんかんな受け取り方をする」ということになれば、知らず知らずのうちに排除されてしまってもいたしかたないかと思います。

齋藤孝. 頭がよくなる! 要約力 (ちくま新書) (p.12). 筑摩書房. Kindle 版. 

つまり、「他者と意思疎通をはかる上では、要約の内容は他人と一致している必要がある」ということになります。
主観的な「意見」は人それぞれ違って当然ですが、客観に近い「要約」は人それぞれだと色々弊害がありそうです。

 

2.要約は人のためならず

著者は、要約には以下のメリットがあるとしています。

  1. 要約することで相手の労力を削減できる
  2. 要約することで会話しがいのある人だと思われる
  3. 状況がわからず置いてけぼりの人を助けることができる

恥ずかしい話、この本を手に取った私は「自分のために要約力を身につけたい!」という思いしかなかったので、他人のためになるという視点は新鮮でした。とはいえ自分にとってのメリットが少ないかというと、そうでもないと思っていています。

例えば周囲の人間の労力を削減できると「この人と一緒に仕事をしたい!」と思ってもらえるようになり、仕事のチャンスに恵まれるはず。状況がわからない人のフォローをすれば、そのコミュニティに必要な人間だと思ってもらえるでしょう。

要約での人助けは他人のためだけではなく、回り回って自分に返ってくるものなのかもしれません。

 

3.要約の技法

具体的な要約の方法に関しては「要約の準備をする時間を設ける」「テーマやキーワードを決める」など定番と言えるような方法もありますが、個人的に興味深かったのは

  1. パワーワードを入れる
  2. イラストで要約

の2つです。

本書におけるパワーワードというのは比喩表現に近いかなという印象でした。確かに比喩表現は「短いフレーズで複雑な物事を伝える」という点で要約に似ているかもしれません。

イラストでの要約に関しては、データビジュアライゼーションの専門家であるスコット・ベリナートが「visualizations that really work」(https://hbr.org/2016/06/visualizations-that-really-work)という論文で述べている、図を用いたコミュニケーションを「概念的⇄データ駆動」と「宣言的⇄探索的」の2つの軸で分類する考え方などが参考になりそうです。(キーワード的にはグラフィックレコーディングとか?)

この2つは新しい観点だったので、今後要約する際の参考にしたいと思います。

 

4.要約力トレーニン

  1. 要約力を鍛えるトレーニングがいくつか消化されていますが、中でも目を引いたのはお店の紹介を書く
  2. 商品の紹介を書く

の2つです。

原則として要約というものは誰が書いても内容が一致している必要がありますが、紹介に関しては魅力を伝えるために主観を交える必要があります。
そのため主観と客観を意識した書き方になるので要約のトレーニングになるとのことです。

また別の書籍になりますが。要約力のトレーニングとして岡田斗司夫さんの「頭の回転が速い人の話し方」がとても参考になります。「本を要約するトレーニング」「映像を要約するトレーニング」などがより詳しく解説されています。

 

5.おわりに

難しいことを簡単に説明することの弊害はあるものの、なんだかんだ簡潔に説明できる能力は必要だなあと思っていて、大事なのは「簡潔さと厳密さを意識してコントロールできるか」「誤解を与えた時のリスクを把握しているか」だと感じます。

この2つを踏まえて、今後はこのブログでも積極的に要約していきたいと思います。